INTERVIEW
KDDIスマートドローン(KDDI100%出資子会社)

ドローンが、当たり前に飛ぶための「礎」を。KDDIスマートドローン代表が語る事業構想

掲載日:2023/03/30更新日:2023/04/06
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つくば市と協力し、ドローンの「レベル4飛行*」想定の実証実験を行うなどドローン普及のための複数事業を展開するKDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン) 。さらなる事業強化に向け、人材採用を強化する。彼らはどのようにドローンを進化させ、社会課題を解決していくのか。どのような構想を描くのか。同社の代表取締役社長・博野雅文さんに伺った。

*有人地帯での目視外飛行=レベル4飛行。KDDIスマートドローンでは、2023年1月19日から2023年3月31日まで内閣府のスーパーシティ実現に向けた実証調査事業を実施。

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拡大するドローン市場。2028年度は9,000億円超へ(*2)

街中でも当たり前に「ドローン」が飛び交い、日常の一部に。いよいよ、そういった光景が現実のものになろうとしている。

2022年12月、無人航空機の新制度が開始され、大きな注目を集めている。具体的には「機体認証」「無人航空機操縦技能証明」「運航ルール」が整備された(*1)。

何よりもインパクトが大きいのは、有人地帯での目視外飛行、いわゆる「レベル4飛行」の解禁だろう。わかりやすく言えば、先の制度に則ることで、あらゆるところでドローンが飛ばせるようになるという。

すでに、2022年度における日本国内ドローンビジネスの市場規模は3,086億円とされる。さらに2028年度には9,340億円と見込まれ、その可能性に期待が集まっている(*2)。

こういった業界において、鍵を握る主要プレイヤーが、KDDIスマートドローンだ。

「ドローンはこれから一気に社会を変えていくと考えています。その普及のために欠かせないのが「モバイル通信」です。ある種、そういった「礎」を担うのが、私たちのミッションだと捉えています」

こう語ってくれたのが、KDDIスマートドローン代表取締役社長・博野雅文さん。もともとKDDI内において「モバイル通信」の可能性を広げる新規事業として2016年にスタートしたドローン事業。そこから事業の継承、発展のために、2022年4月、KDDI100%出資子会社として誕生したのが、KDDIスマートドローンだ。

そもそもなぜ、KDDIグループがドローン事業に挑戦するのか。そしてどういった世界を実現しようとしているのか。どういった課題を解決していくのか。業界の現状、ビジョン・構想、そして同社の強みについて博野さんに伺った。

(*1)無人航空機レベル4飛行ポータルサイト https://www.mlit.go.jp/koku/level4/
(*2)ドローンビジネス調査報告書2023 https://research.impress.co.jp/report/list/drone/501642

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博野 雅文 Masafumi Hirono/ KDDIスマートドローン株式会社 代表取締役社長
2004年KDDIに入社。WiMAX基地局の開発業務を経て、セルラーネットワークの構築に関わる企画・開発業務に従事。2014年より端末における無線通信プロトコル開発リーダーを務めた後、セルラーネットワークを活用したスマートドローンの事業化を推進。2022年4月より現職。

ソリューション、プラットフォーム、スクール…3事業展開の狙いとは?

まずは、KDDIスマートドローンにおける事業概要から伺ってもよろしいでしょうか。

現在は「プラットフォーム事業」「ソリューション事業」「スクール事業」この3つの事業を展開しています。

まず「プラットフォーム事業」ですが、これはまさにKDDIにおける「モバイル通信」の技術、ネットワークの強みを活かしたものです。たとえば、

「ドローンを遠隔で操作して飛行させたい」
「障害物があっても送信機との通信を途切れさせたくない」
「送信機の通信可能範囲を広げて、長距離飛行をしたい」
「他拠点からリアルタイムで映像を確認したい」

こういったニーズに応えていきます。具体的にはプラットフォーム『スマートドローンツールズ』として提供しているのですが、特長はあらゆるメーカーの機体に適用できること。同じUIでニーズに合った機体が利用できます。モバイル通信・運航管理システム・クラウドを基本パッケージで提供しています。

そして「ソリューション事業」ですが、これはわかりやすく、ドローンを飛ばし、事業やサービス、ビジネスを支援していくもの。たとえば、物流、広域監視、点検、測量などの場面で活用が進んでいます。建物や社会インフラ・設備の点検・監視をはじめ、工事現場の測量、物流などの領域で実証や事例を積み重ねてきています。特に近年増えているのが、風力タービン、水力発電設備などの点検作業ですね。危険で手間と時間がかかる部分の効率化にドローンで貢献していきます。

そして3つ目が「スクール事業」です。昨年の法改正により、「無人航空機操縦技能証明」が制度化されましたが、その資格取得と、撮影や点検等、領域毎の専門スキル習得を目的とした『KDDIスマートドローンアカデミー』を開校しています。カリキュラムを策定し、全国各地のドローンスクール7校ともパートナーシップを締結しました。今後、一気にドローンが普及していくなかで、操縦士含めて人材は大きな課題となっていく見込み。この人材育成の課題にも向き合っていければと考えています。

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2022年12月にはスペースX社『Starlink』との連携も話題になったKDDIスマートドローン。その狙いについて博野さんは「KDDIでは「人が生活するエリア」においては、99.9%の通信ネットワークを構築しているのですが、国土全体でいえば、まだまだモバイル通信が届かないエリアもあります。そこを『Starlink』でカバーしていければと考えています」と語ってくれた。

掲げるミッションは「叶えるために、飛ぶ。」

なぜ、多角的な事業を展開しているのでしょうか?

私たちが掲げるミッションは「叶えるために、飛ぶ。」なのですが、ドローンが「飛ぶ」ことはあくまで手段であり、より快適な暮らし、さまざまな想いを「叶える」ことが目的です。お客様が必要とする価値を常に提供していく。お客様の課題を解決する、想いを叶えるためにサービスを提供する。業界全体として競争より、協調しながら進めていく。お客様がドローンを活用する上で必要なソリューションを、トータルで提供できるよう、機体メーカー様をはじめ、様々なパートナーと協調しながら事業を行なっています。その実現のために必要な、事業を1つ1つ作り上げていきたいと考えています。

さらに、それらはそれぞれシナジーが生まれる事業体。たとえば、市場ニーズを汲み取ったプラットフォームを構築するためには、エンドユーザーの声を聞くことが大切。自社でもプラットフォームを活用し、ソリューションに取り組む。そうすることで得られたノウハウやデータを再びプラットフォームの開発に還元できます。既に運航管理システムでいえば、全国で毎日20~30回ほど飛行を積み重ねている状況です。これほどの実績を持つシステムは日本有数だと思います。

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KDDIグループとして「社会」にインパクトを

いま、このタイミングでKDDIスマートドローンの一員として働く上での醍醐味、魅力となる部分について教えてください。

まずドローン業界全体でいえば、これから一気に普及していくタイミング。比較的早い段階で社会実装を進めていくことができます。さらに対象となる150m以下の飛行領域は、これまで産業として使われていなかった空域です。いわばまっさらなキャンパスに絵を描いていくことができるのは、大きな魅力と言えます。

そして、そういった業界のなかにおいて、KDDIスマートドローンは「業界を立ち上げていく中心的役割」を担うと言っても過言ではありません。KDDIグループとして構築してきた、ドローンの遠隔制御に必要不可欠な通信インフラを構築し、稼働させていく。それらを担っていく醍醐味を感じていただけるのではないでしょうか。

また、ビジネスとしての強みもあります。たとえば、KDDIグループでは本人確認ができている顧客情報を広く、安全に管理しています。その蓄積や信頼性は事業を拡大していく上でアドバンテージといえます。KDDIグループは全国津々浦々に基地局を持っています。その場所と電源を活用し、ドローンによるソリューションを検討できる。例えば、基地局にドローンのポートを置き、何かあったときにドローンを発進する。そして必要な情報を取得し、データをクラウド上にアップする。そうすれば人がその場所に行かずとも、クラウド上から状況を確認することも可能になります。

さらにKDDIスマートドローンは、事業会社化されてまもない会社。大企業ならではの実績や信頼、そしてベンチャーならではの機動性、その両方の強みを活かせるのは私たちならではだと思います。

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今後の展望について「2025年頃を目処に、ドローンが遠隔制御され、当たり前に飛び回りはじめる世界を見据えて事業を手掛けています」と語ってくれた博野さん。「制度化されてから3年から4年のスパンで世の中に浸透していくと見立てています。たとえば、無人地帯での目視外飛行「レベル3」は、2018年に制度化されました。4年ほど経過した今、準じたサービスが浸透している状況。そして2022年12月、ドローンの有人地帯における目視外飛行「レベル4」が施行されました。3年後の2025年頃が、一つのマイルストーンになると想定しています。また、世界的に見ても他国に引けを取らない水準、そしてスピードで整備が進んでいると言えます。特に日本は安全性をはじめ、サービス品質に対する厳しい傾向にあります。そうした環境のなかでサービスをつくり上げられれば、海外でも戦っていけると思っています」

「課題は多いほうがワクワクする」という人が活躍できる

ちなみにどういった方が、よりドローン業界、そしてKDDIスマートドローンで活躍できると思いますか?

まずドローン業界全体で言えるのは、まだまだどうなるかわからない領域。実現していくまでの課題も多くあります。プレッシャーもあるでしょう。それらを一つひとつ乗り越えていく。ここを楽しめる方でなければ、なかなか続かないように思います。一方でむしろ課題が多ければ多いほうがワクワクできる方、挑戦できる方にとっては非常にエキサイティング。ぜひそういった方に来ていただき、ドローンの社会実装を共に進めていきたいと思っています。

KDDIスマートドローンでいえば、「ドローンを活用したビジネスや仕組みをつくりたい方」に向いていると思います。というのも、私たちは機体の開発は行っておらず、どちらかといえば多くのステークホルダーと連携し、産業全体を見渡していく立場。技術サイドの方も、ビジネスも考慮しつつ、そこに活きるようなシステムをつくりたい方が合っている気がします。

また、私たちの場合、社会に価値のあるサービス提供していく上で、現場にいくことも多い。険しい山道を歩いて飛行ルートを設計したり、自治体のお年寄り向けに説明会を開催したり。そうした地道な取り組み一つひとつの先にこそ、ドローンの社会実装はあるもの。自分たちが目指したい社会の姿・サービスを実現するために、そういったことにもポジティブに取り組める方が活躍していけるはずです。

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不便を解消し、より幸せに暮らせる社会を

最後にドローンの社会実装にあたり、博野さんご自身の「志」について伺わせてください。

インターネットの登場で「情報」の格差が縮まったように、ドローンによって移動に関する「距離」の格差も縮めていく。そして、いま存在する不便を解消し、より幸せに暮らせる社会をつくっていく、その一歩になればと考えています。

これは私個人の話ですが、正直、都会よりも自然豊かなところのほうが好き。できれば、地方で暮らしながら生活も仕事もしていたい(笑)もし、ドローンがもっと普及すれば、そういった地方での暮らしもしやすくなります。そういった選択肢がより増えていくといいなと考えています。日本には素晴らしい四季があり、豊かな自然がある。そういった日本の良さを感じながら暮らせる社会を実現するような事業を生み出していければと思います。

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